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京都大学原子炉実験所一般公開 「100ミリシーベルト以下は影響ない」おじさんと今中さんの対話

アザラシさんの報告第四弾!

 

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今年の4月5日に京都大学原子炉実験所の一般公開に行ってきましたので、報告させていただきます。

同行したのは、大阪在住のお友達5名です。皆様それぞれに反原発活動をなさっています。
阪急電車上牧(かんまき)駅(高槻市)には関西電力八木社長の自宅があります。その上牧駅前広場で、毎月第2第4火曜日に「原発ゼロ上牧行動」をやっている方が3名(ちたりたさん、御大二名)。ラジオフォーラムと月刊うずみ火で活動なさっている方(鈴木さん)。そして奈良県橿原市昆虫館の学芸員で、昆虫とは直接関係ない「貝原浩展(風しもの村)」「アーサービナード講演会」を企画した方(中谷さん)です。

だいぶ昔のことなので、詳細はだいぶ忘れていますが、忘れていないことは印象的なことだったということで書き留めておきます。

京大原子炉実験所の見学は昨年に続いて2回目。

今年も実験用原子炉の見学。
昨年と違って、原子炉建屋に入る二重扉が開く時に音楽が鳴らなかった。
ファミリーマートで扉が開くと鳴る音楽。
見学中は扉の開閉が多いので音楽は消しているということでした。
もちろん、見学中は原子炉は動いていないので、二重扉で建屋内外を遮断する必要がなく、建屋内の空気の圧力は外と同じになっています。
日立アロカポケット線量計持参しましたが、原子炉建屋内部の空間線量は屋外と同じくらい。(約0.05μSv/h)
もう一つ昨年と違ったのは、制御室の写真撮影が可能となっていたこと。
なぜ昨年は写真撮影が不可だったのか不可解ですが、今年は制御室内に「低濃縮ウラン燃料炉心初臨界」というでかいポスターが貼ってあったので、それを宣伝したかったのかも。

加速器の部屋の空間線量は今年も高かった。約0.1μSv/h。
加速器では「未臨界の原子炉で核分裂の連鎖反応を起こす加速器起動システム」を宣伝していました。
この連鎖反応は、危険性が少ないのが利点だそうですわ。あら、ここでも「トリウム燃料ができる」ことを利点としてあげているのね。

研究の紹介スペースでは、昨年は「ペットボトル樹脂(ポリエチレンテレフタレート)を改良して放射線を可視化できるようにしたプラスチック樹脂「シンチレックス」、車に線量計を積んで位置情報と空間線量を同時に記録して、遠隔地において測定値をリアルタイムで地図上に表示するシステム「KURAMA」などが展示されていましたが、今年は「ホウ素中性子補足療法(BNCT)」によるがん治療が、売りのようでした。

そしてお待ちかね(笑)、午後になってやっと公開される廃棄物処理棟へ。
前日の情報では、今年の説明役は今中さんでは「ない」とのことでした。
が、なんと行ってみれば今中さんが説明なさっているではありませんか。
この日週刊新潮の記者が取材に来ていたので、急遽今中さんがお出ましになったのかもしれません。
(週刊新潮の記事、どなたかお読みになしましたか~?)

廃棄物処理システムは、昨年小出さんに説明を受けていたのだけど、忘れちゃったことが多々あり,初心者のふりして今中さんに質問したりして。
弱レベル汚染物は、各施設から配管を通って廃棄物処理棟まで運ばれ、凝集沈殿ろ過処理設備、凍結再融解処理設備で処理される。
高レベル汚染物は、タンクローリーで各施設から運ばれ、蒸発濃縮処理設備で処理される。
処理後の廃物は所内に貯めてあり、現在のところ行き場がない。
研究施設、原発、医療施設から出る放射性廃物のうち、医療用廃物だけは、岩手県滝沢村に持って行かれて焼却されている。
それ以外は、貯めておくだけ。

廃物処理のタンクが近くにあり、見学者が「そこは放射線量は高いんですか」と質問したら、今中さん、「線量計を取ってこないと。」とおっしゃるので、私が「これがあります」と線量計を渡したら、今中さん「え、これ買ったの。20万円。」と笑っていらした。でその線量計をタンクに近づけると、0.2μSv/hくらいだった。

記者だの見学者が今中さんを囲んでいたら、初老の男性がやってきて「福島の原発からの放射能は、大した影響はないって報道でも言うてますがな。」と今中さんに話しかける。
今中さん、いつものように、にこやかに穏やかに、でもはっきりと「すっかり洗脳されてますなぁ。」とおっしゃる。

男性「100mSV以下なら問題ないと言うやないですか。」
今中さん「いや、100mSv言うたら結っ構厳しいですよ。」「大丈夫と言うなら、そう言う人が身を以て示してください。」

男性「事故直後に牛乳を全部捨ててましたが、ヨウ素の半減期は8日なんだから、しばらく取っておけば飲めるようになるのに、もったいないことをするなと思いました。」
今中「ヨウ素だけを考えればそうですね。でもヨウ素だけでなくて、セシウムなども入っていますから。」
こんな感じで話が続いていました。

一部(いや、多く)で、金科玉条のごとく振りかざされている「100mSv以下は影響ない」に対する反論として今中さんが、岩波「科学」に論文をお書きになっています。
これはつくづく名著だと思う。

「”100ミリシーベルト以下は影響ない”は原子力村の新たな神話か?」岩波「科学」2011年11月号
http://www.rri.kyoto-u.ac.jp/NSRG/etc/Kagaku2011-11.pdf#search=%27
今中哲二+100ミリシーベルト以下は%27
(要点)
約5万人の死亡を含む広島・長崎データでは、”100mSv以下において統計的に有意なガン死増加は観察されない”と述べることは間違いではない。しかし、ガン死リスク係数(線量あたりの過剰相対リスク)を素直に眺めるなら、データ全体に対しては”被曝量は小さくとも、被曝量に比例してガン死リスクが増加する”というLNTモデルがよく適合していることは明らかであろう。少なくとも”100mSv以下で過剰相対リスクの値が急に0になる”という閾値モデルが成立しがたい(逆に100mSv以下ではむしろリスク係数は大きくなる傾向が認められる)。

「統計的有意差がない」から「影響がない」とは言えない。「統計的有意差」を金科玉条のごとく振りかざすことの誤りについては、以下でも指摘されている。
「100mSv以下の被ばくでは発がん影響がないのか──統計的有意差の有無と影響の有無」津田敏秀・山本英二・鈴木越治 岩波「科学」2013年7月号
(要点)
1990年頃にはすでに、医学雑誌の編集長からなる国際委員会がつくる投稿規定において、統計的有意差の有無を判断するP値だけを示す統計的検定のみに頼り、重要な定量的情報を逃すのではなく、定量的な指標を定めて推定指標と誤差の指標としてその区間推定値を示すことが求められていた。
P値を禁じるマークまであり、「論文にはStatistically Significant
(統計的有意)とは書くな!」とまで言ったりして注意を呼びかけていた。
統計的有意差がないことにより影響がないことと誤解されないように注意しなければならないことが、警告されていたのである。

100mSv以下の被ばくでも影響があることは以下のデータでも示されています。

世界15カ国の原子力産業労働者のデータでは、平均個人被曝量19.4mSvであるが、ガン死過剰相対リスクは1Sv あたり0.97(統計的に有意)
Cardis E. et al. British Medical J 331, 77 2005
http://www.bmj.com/content/331/7508/77

英国被曝労働者のデータでは、平均個人被曝量24.9mSvであるが、ガン死過剰相対リスクは1Sv あたり0.275(統計的有意)
Muirhead C.R. et al. British Cancer 100, 206 2009
http://www.nature.com/bjc/journal/v100/n1/full/6604825a.html

とかなんとかしていたら、今年は実験所の隣にある原子燃料工業熊取事業所も見学できるとのこと。
ちたりた、鈴木、あざらし、上牧行動御大二名は次の目的地原燃に向かったのでした。

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コメント: 2
  • #1

    sex telefon (水曜日, 01 11月 2017 03:18)

    Damazy

  • #2

    sek stel (金曜日, 03 11月 2017 22:50)

    niedokręcający