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『茶色の朝』 フクロウ通信(福島老朽原発を考える会)より

フクロウの会の『フクロウ通信』第18号に「茶色の朝」という本が
紹介されていました。

まさに今の日本の今。そしてこれからが描かれているかのようです。

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書籍『茶色の朝』に寄せて

茶色の朝』はフランスでは1998年、日本でも2003年から出版されている

ロングセラーで、フランスでは100万部以上が売れ、2002年には
極右の大統領誕生を阻止した運動にも大きく関与した寓話の本です。

日本語版は短い本篇(寓話)と挿絵と哲学者の高橋哲哉さんの
解説的メッセージが加えられています。

そのメッセージから少し抜粋すると、
「ファシズムや全体主義は、権力者が人々を一方的に弾圧し、
恐怖政治をしくことに よって成立するだけではありません。
とくに、いちおう「民主主義」を制度として前提する社会では、
はるかに多くの場合、 人々がそうしたものの萌芽を見過ごしたり、
それに気づいてふあんや驚きを覚えながらも、さまざまな理由から
危険な動きをやり過ごしていくことによって成立するのです。」

寓話の方のストーリーは、ある日茶色以外の猫を飼うことが禁止になり、
次は犬が、次は・・・と、少しずつ茶色に染まってい行く社会を
描いたものです。

主人公とその友人はそういった社会の動きに違和感を覚えながらも、
言い訳を見つけ、理由をつけて、茶色を受け入れ茶色に守られた安心に
浸っていきます。
そしてある日主人公は突然「茶色の朝」をむかえます。

ある種予定調和的な寓話ですので、きっと多くの読み手には
主人公とその友人が茶色を受け入れていく様子から、
これから危ない展開になっていくなということが早い段階で分かりますし、
茶色の朝が本当は突然やってきたのではないことも分かります。

しかし、実際の暮らしのなあに々読み手が置かれた時には、
危ない展開につながる社会のおかしな動きに察知するのは
どうも少し難しくなるのかも しれません。
主人公とその友人のように「茶色にまもられた安心」を、
それも悪くない、と感じている人がこの国にはまだ多いように思います。

おかしな社会の動きのいくつかは今回の通信の記事にもなっています。
理由をつけてうけいれるのか、考えて行動していくのか、
問われている時では ないでしょうか。

福島原発事故という、ひとつの茶色の朝を経験したはずなの私たちが、
また新たな茶色の朝を迎えることのないように、私たちみんなが
分からないことを そのままにせず、違和感や不安に言い訳せずに
向き合い、考え、行動してけるように と願います。

『茶色の朝』  フランク・パブロフ 物語
          ヴィセンント・ギャロ 絵
          高橋哲哉  メッセージ
          藤本一勇  訳
          大月書店

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茶色の朝』の帯にある落合恵子さんの言葉。

「考えることを放棄してはならない。
   それは知性と感受性の後ずさりを意味する。
         非情な時代を深く生きるために。」

おぉ、まさにその通り!
 
写真: みかちゃんは、フクロウの会でずーっと頑張っているんだけど、 そのフクロウの会の『フクロウ通信』にこの本の紹介文を載せたの。 みかちゃんが紹介してくれた本は、「茶色の朝」。 まさに今の日本の今。そしてこれからが描かれているかのようです。 「読んでみたい」と言ったら、すぐ送ってくれました。 フクロウ通信のみかちゃんの記事を載せます。 **************************************** 書籍『茶色の朝』に寄せて 『茶色の朝』はフランスでは1998年、日本でも2003年から出版されている ロングセラーで、フランスでは100万部以上が売れ、2002年には極右の 大統領誕生を阻止した運動にも大きく関与した寓話の本です。 日本語版は短い本篇(寓話)と挿絵と哲学者の高橋哲哉さんの解説的メッセージが 加えられています。 そのメッセージから少し抜粋すると、 「ファシズムや全体主義は、権力者が人々を一方的に弾圧し、恐怖政治をしくことに よって成立するだけではありません。 とくに、いちおう「民主主義」を制度として前提する社会では、はるかに多くの場合、 人々がそうしたものの萌芽を見過ごしたり、それに気づいてふあんや驚きを 覚えながらも、さまざまな理由から危険な動きをやり過ごしていくことによって 成立するのです。」 寓話の方のストーリーは、ある日茶色以外の猫を飼うことが禁止になり、 次は犬が、次は・・・と、少しずつ茶色に染まってい行く社会を描いたものです。 主人公とその友人はそういった社会の動きに違和感を覚えながらも、 言い訳を見つけ、理由をつけて、茶色を受け入れ茶色に守られた安心に 浸っていきます。 そしてある日主人公は突然「茶色の朝」をむかえます。 ある種予定調和的な寓話ですので、きっと多くの読み手には主人公とその友人が 茶色を受け入れていく様子から、これから危ない展開になっていくなということが 早い段階で分かりますし、茶色の朝が本当は突然やってきたのではないことも 分かります。 しかし、実際の暮らしのなあに々読み手が置かれた時には、危ない展開に つながる社会のおかしな動きに察知するのはどうも少し難しくなるのかも しれません。 主人公とその友人のように「茶色にまもられた安心」を、それも悪くない、と 感じている人がこの国にはまだ多いように思います。 おかしな社会の動きのいくつかは今回の通信の記事にもなっています。 理由をつけてうけいれるのか、考えて行動していくのか、問われている時では ないでしょうか。 福島原発事故という、ひとつの茶色の朝を経験したはずなの私たちが、 また新たな茶色の朝を迎えることのないように、私たちみんなが分からないことを そのままにせず、違和感や不安に言い訳せずに向き合い、考え、行動してけるように と願います。 『茶色の朝』  フランク・パブロフ 物語           ヴィセンント・ギャロ 絵           高橋哲哉  メッセージ           藤本一勇  訳           大月書店 **************************************************** 『茶色の朝』の帯に落合恵子さんの言葉が書いてありました。 「考えることを放棄してはならない。 それは知性と感受性の後ずさりを意味する。 非情な時代を深く生きるために。」 そうそう。知ることや考えることを絶対放棄してはいけないですよね。